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個人事業主・フリーランス公開日: 2026.09.19最終更新日: 2026.09.19

有料サロン・セミナーの「特定商取引法に基づく表記」— 申込ページに何を載せるか

執筆: 幹事Pay 編集部 ・ 読了目安 約7

オンラインで有料の参加を募集しようとすると、申込ページに「特定商取引法に基づく表記」を置くよう求められる場面があります。何を書けばいいのか、個人で活動している場合に自宅の住所まで出す必要があるのか。この記事では、一般に挙げられる項目と、書きにくい項目の考え方を整理します。最終的な判断は法令の解説と専門家の確認が必要な領域なので、本記事は「確認する前の地図」として読んでください。

1. まず「自分が該当するか」を確認する

特定商取引法は、通信販売をはじめとする取引の類型ごとにルールを定めた法律です。インターネット上で申し込みを受け付けて有料の役務を提供する形態は、通信販売に当たると整理されることがあります。該当する場合、広告に所定の事項を表示することが求められるとされています。

ただし、すべての募集が自動的に該当するわけではありません。事業として反復継続して行っているか、営利性があるかといった点で扱いが変わります。たとえば、実費だけを分担する非営利の勉強会と、継続的に収益を得ている有料サロンとでは前提が違います。

!この記事で断定しないこと

自分のケースが通信販売に当たるかどうか、どの項目をどう書けば足りるかは、活動の実態によって判断が分かれます。消費者庁が公表している特定商取引法のガイドを確認したうえで、判断に迷う場合は弁護士などの専門家にご相談ください。ここでは一般に挙げられる項目の並びだけを示します。

特定商取引法に基づく表記で一般に挙げられる項目を、事業者について・お金について・提供とキャンセルについての3群に分けて示した図。事業者については販売事業者名、代表者または責任者、所在地、連絡先。お金については販売価格、追加で必要な費用、支払い方法、支払い時期。提供とキャンセルについては役務の提供時期、申込みの有効期限、返品や解約の条件を挙げている。
一般に挙げられる項目の並び。どこまで必要かは活動の実態で変わる

2. 一般に挙げられる項目

表記の例は、大きく3つの群に分けて考えると書きやすくなります。

項目サロン・セミナーでの書き方の例
事業者について販売事業者名 / 代表者または責任者屋号がある場合は屋号と代表者名
事業者について所在地 / 連絡先後述のとおり、省略できる扱いがあるとされる
お金について販売価格月額◯◯円 (税込) / 1回◯◯円 (税込)
お金について商品代金以外に必要な費用決済手数料・振込手数料の負担者
お金について支払い方法 / 支払い時期クレジットカード・銀行振込 / 申込後◯日以内
提供とキャンセル役務の提供時期入金確認後◯日以内に案内 / 毎月1日から
提供とキャンセル申込みの有効期限定員に達し次第終了 など
提供とキャンセル返品・解約の条件退会の申し出期限と、返金の有無

このうち返品・解約の条件は、あとから揉めやすいところであり、書いていないと参加者との認識がずれます。月額制なら「当月末までの申し出で翌月分は発生しない」「支払い済みの月は返金しない」のように、日付で線を引いておきます。

📖あわせて読みたいオンラインサロンの入会・退会ルールの決め方締め日・日割り・返金の線引きと、入会案内にそのまま書ける文例をまとめています。

3. 個人の住所と電話番号をどうするか

個人で活動している人がいちばん詰まるのがここです。自宅の住所と携帯番号を募集ページに常時掲載するのは、現実的に受け入れにくいものです。

この点について、消費者からの請求があったら遅滞なく開示する旨をあらかじめ表示していれば、広告上の記載を省略できるという扱いが案内されています。ただし、省略が認められる条件や、請求を受けたときにどう応じる必要があるかには決まりがあります。自分のケースで省略できるかは、消費者庁の解説を確認したうえで判断してください。

  • バーチャルオフィスや私書箱を使う — 実際に連絡が取れる状態にできるかを、事前に提供元へ確認します
  • 請求があったら開示する旨を表示する — 省略が認められる条件と、請求への対応方法を先に確認しておきます
  • 連絡用のアドレスを分ける — 個人の連絡先をそのまま出さずに済み、活動をやめるときも整理しやすくなります

!「書かない」ではなく「どう書くか」で考える

表示を丸ごと省くと、参加者から見て信頼できる相手か判断できません。表示があること自体が、申し込みの安心材料になります。出したくない項目は、出さない方法を探すのではなく、出せる形に変える方向で考えるほうが結果的に早く済みます。

4. 実際の表記を見てから書く

ゼロから書くより、実際の表記をいくつか見てから自分の言葉に置き換えるほうが早く、抜けも減ります。同じ形態のサービスの表記を2〜3件見比べると、書き方の幅が分かります。

参考までに、幹事Pay 自身の表記も公開しています。項目の並びと、価格・支払い方法・解約条件の書き方の実例として見られます。

📖あわせて読みたい幹事Pay の「特定商取引法に基づく表記」項目の並びと、価格・支払い方法・解約条件をどの粒度で書いているかの実例です。

書いたあとは、申込の導線から1クリックで開ける場所に置きます。フッターの奥に置くと、探せない参加者が問い合わせてきて、結局その対応に時間を使うことになります。

📖あわせて読みたい個人事業主・フリーランスの集金口座番号を出さずに参加費を受け取る方法と、屋号で活動するときの見せ方をまとめています。

5. よくある質問

Q無料のコミュニティでも表記は必要ですか?

対価を受け取らない形態では前提が変わります。ただし、一部を有料にした時点で扱いが変わる可能性があります。無料から有料に切り替えるタイミングで、消費者庁の解説を確認し、判断に迷う場合は専門家にご相談ください。

Q外部の販売プラットフォームを使う場合も、自分で表記を用意しますか?

プラットフォーム側が表示を用意している場合もあれば、出店者が自分で記載する運用の場合もあります。利用するサービスのヘルプを確認し、どちらの責任で表示するのかをはっきりさせておいてください。

Q表記の中で価格を「応相談」にできますか?

販売価格は表示が求められる項目とされているため、金額が決まらない書き方は避けるのが無難です。コースごとに価格が違うなら、コース別に併記する形にすると分かりやすくなります。

Qクーリング・オフはありますか?

取引の類型によって扱いが異なり、通信販売にはクーリング・オフの制度が設けられていないとされています。その代わりに返品や解約の条件を表示することが求められる、という整理です。自分のケースがどの類型に当たるかは、消費者庁の解説を確認してください。

Q表記を後から変更してもいいですか?

価格や解約条件を変更する場合は、変更後の内容と適用開始の時期を、すでに申し込んだ人にも伝えるのが基本です。表示を書き換えるだけだと、既存の参加者との間で条件が食い違います。

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